SONY Cyber-Shot RX1RII(DSC-RX1RM2)を使ってみて。

SONY Cyber-Shot RX1RII (DSC-RX1RM2)

このカメラが発売されたのは2016年の2月らしいですが、ワタシが購入したのは2023年の5月です。

いくら有効画素数4240万画素のフルサイズセンサーを搭載しているからといっても、デジカメで約7年前となれば、現行モデルとは性能差はかなりあり、スペックだけを見れば通常は選ばないはずなのですが、わざわざ選んで購入してしまいました。

使用されているフルサイズセンサーは裏面照射型で有効画素数4240万画素のもので、発売当初は高性能なセンサーでベンチマークでのスコアも良好だと評されていました。世代的にはSONY α7RIIと同等ではないかと思われます。

当然今となっては最新のセンサーに比べるとスペックとしては劣るのでしょうけど、趣味で写真を撮るうえでは問題視するほどではないと思ってます。
また、センサーが高性能なおかげで、DxO PhotoLab 7でRAW現像すれば、まだ十分現行機種と対峙できる画質の写真が得られます。

今のところ購入したことに後悔は無く、買って良かったと思っています。

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やはり、カメラはいつも持ち歩いてこそだと思っていますので、持ち歩きたいと思うような質感と、撮っても期待通りの写真が得られることに大変満足しています。

購入してから既に数か月経過しているのですが、漸くレビューらしいことが書けるネタがそろってきたので、まとめておこうと思います。

目次

購入動機

実は先代のRX1(Rが付かないタイプ)を所有していた時期がありました。
無印RX1を購入した理由と今回RX1RIIを購入した理由は大体似たようなものかなと思っています。

  • 所有欲が満たさせる高級コンパクトカメラ
  • 裏面照射型 有効画素数4240万画素 35mmフルサイズセンサー
  • Zeiss Sonnar T* 35mm F2

    先代の無印RX1には、写りそのものには全く不満はありませんでした。

    それでも手放した理由は、ビューファインダーが後付け、背面モニターが固定だったり、というちょっとした使い勝手があまり良くなかったところです。

    特にビューファインダーが後付けがちょっとなぁ、と思ってました。
    つけっぱなしだと持ち運びの時に気を遣うし、かといっていちいち取り外すのは面倒だったり、せっかくのコンパクトカメラなのに自由に使う感覚になれなかったのが手放した要因ですね。

    先代のRX1では、手振れ補正がなかったのも残念なポイントでした。
    RX1RIIでも手振れ補正がないのは先代から変わってませんが、センサーが裏面照射タイプとなったことから高感度域を積極的に使用できそうだということで、先代の不満点はほぼ解消されるかなと思いました。

    その他の先代で不満だったところはほぼ解消されていると思い、スペック的にも現行のカメラとあまり差がない程度を維持していたというところが今回の購入の動機になりました。

    第一印象

    開封後に触った印象は、先代とほぼ同じで、大きさの割にずしっと来る重量感とメカとしての密度感などの感覚的な部分については期待通りで好印象です。

    金属製のメカっぽさのあるカメラ。レリーズボタンをつけています。

    絞りリングがレンズにあるのはやはりいいですね。ここも気に入っているポイントです。

    カメラのシリーズとしては名称からもわかる通りCyber-Shotなのでミラーレスのαシリーズとは若干異なる雰囲気です。

    SDカードとバッテリーのドア部分がいかにもコンデジ風の作りだったり、バッテリー容量が小さいなどの部分は、先代と同じく残念と言えば残念ですが、まあいいでしょう。

    全般的には各パーツが金属でできていることもあり、質感が高く所有満足度は高いです。

    購入後2か月経過

    先代は素のRX1とローパスフィルターレスのRの2本立てでしたが、今回は可変ローパスフィルター内蔵の1タイプのみというかなり思い切ったカメラになっています。

    ただ、個人的には、この部分はあまり気にしていなかったので、今もそうですが、標準ばかり使用しています。

    正直なところ、使い分けるシチュエーションがあまりないのです。(ワタシの用途では)
    簡単に切り替えはでき、ブラケット撮影もできるので、とりあえず撮っておくか、というのもありですが、標準状態でも十分な解像度なので、ブラケットする必要性も思い当たらず、ほぼ標準のまま使ってます。

    内蔵のビューファインダーは大変使いがってが良く、気に入っています。

    ポップアップ式の内蔵ビューファインダー

    漸く実用的になった、という感じです。ボタンで接眼部が手前に飛び出すのですが、ファインダーの頭を押し込むと接眼部も連動して収納されます。この辺りはよくできてると思います。

    上から押し込むだけで、手前に飛び出た接眼部は連動して収納される。

    アイカップが付属していますが、つけると収納できなくなるのでワタシは使用していません。

    立派なアイカップが付属しますが使っていません。

    先代で不満だった背面液晶は可動タイプになりました。また像面位相差オートフォーカスにも対応したことから、ピントの迷いが格段に減ったこともあり、使い勝手は格段に向上しました。

    ただ、ワタシ的には内蔵のビューファインダーが実用的になって、そちらを常用するようになっているので、微妙になってしまってますが。

    見せてもらおうか、RX1RIIの実力とやらを。

    先代のRX1からの絵作りに影響する変更点といえば、センサーの高画素化と世界初の可変ローパスフィルターでしょうか。

    レンズには変更がないので、個人的に先代に比べて目に見えて写りが違う、というほどではないかも、と予想してましたが、それはある意味予想通りでした。

    絵作りそのものは先代とほぼ同等で、高画素になったからといってバリバリの解像感、というわけでもありませんでした。裏面照射型なので高感度領域では低ノイズなのでしょうが、手振れ軽減には多少寄与しているのでしょうけど、今のところその恩恵を受けているという実感は特にありません。

    やはりこのカメラはZeiss Sonnar 35mm f2.0なのでそのキャラクターが絵作りをほぼ決めているのではないかと思います。

    言い方が適切ではないかもしれませんが、レンズの個性が強いので、ローパスフィルターやセンサーが多少変わったところでガラッと変わっていない、という感じでしょうか。

    もちろんセンサーの仕様が先代の延長線上にあってのことなんでしょうけど。

    というわけで、ワタシ的には、先代からバリバリに進化したと感じるのは使い勝手にかかわる部分だけで、その他に関しては、まあ、順当に進化した、という感じですね。

    Zeissは凄い

    今更ながらですが、やはりZeissはすごいなと思います。

    改めて、凄いと感じたのは、実はちょっと前に所有していたSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAの絵を見てからです。

    Zeissというかこのレンズだからだったのかもしれないですが、解放F値から0.5段絞るだけで高い解像感、曇天の天候でも透明感のある描写(かなり主観入ってます)に圧倒されました。

    F2.0で奥に写る橋のワイヤー1本1本がわかる解像感のある描写。
    (SONY α7SII + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA)

    個人的には、金属や人工物の描写が特に凄いと思います。

    表現が適切ではないかもしれませんが、本当に「凄い」と思います。解像力があるからですかね。

    ポートレートの様な人物写真よりも物撮りっぽい用途の方が向いているのではないかと思います。

    手前の金属製の手すりの質感ある描写に驚きました。
    (SONY α7SII + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA)

    このレンズはsony α7SIIという今時のフルサイズとしては画素数がかなり低いモデルで使用してましたが、解像感は(センサーではなく)レンズだな、と思いました。

    欠点は寄れないレンズだったことです。最短撮影距離が0.5mだったので、あと一歩の寄りができずイライラすることが結構ありました。

    なので、場合によっては、何撮った写真なの?となりかねないので、被写体を選ぶレンズともいえると思います。

    巷では「寄れないマクロレンズ」と比喩されているそうですが、言い得て妙、ですね。

    で、RX1のZeissですが、解像感としては申し分ありません。

    ビールの入ったグラス。背景もいい感じでボケてます。
    SONY Cyber-Shot RX1RII
    部分拡大写真。グラス表面の結露の描写はさすがZeiss

    前述したように、人工物など、ものを撮った場合の解像感と立体感はやはり抜群に良いと思います。ボケも綺麗です。

    単なる物干し。
    SONY Cyber-Shot RX1RII
    洗濯ばさみのリアリティのある描写は見事だと思います。

    写真としてはちょっとダメなものですが、たまたま取れていた雨に濡れている瓦の描写に、ゾクッときました。

    SONY Cyber-Shot RX1RII
    写真左の屋根瓦部の拡大。表面の濡れた感じの描写にハッとしました。

    夕景などの照度が低い場面や低コントラストになりがちな状況下でも破綻せず細部までとらえられるところはすごいと思います。これに関してはセンサーの恩恵も大きいのでしょうけど。

    Zeissは人工物が入った絵が得意なような気がします。
    SONY Cyber-Shot RX1RII
    SONY Cyber-Shot RX1RII

    またマクロモードがあるので0.2mまで寄れるのはポイント高いです。あともう一歩、とは個人的には思いますが、大抵の場面で何とかなるレベルです。

    寄れるZeissは無敵だと思います。SONY Cyber-Shot RX1RII

    ボケに関しては、油断すると二線ボケが出てしまうところが注意点でしょうか。

    これは高解像度のレンズだとありがちなので、バックの構図にも注意を払う必要がありますね。

    油断すると盛大な二線ボケが。被写体との距離感には要注意ですね。 SONY Cyber-Shot RX1RII

    フルサイズセンサーでZeissレンズの唯一無二のコンパクトカメラ

    スペックとしては最高だと思います。発売されて7年経過(2023年時点で)してますが、撮れる写真に関しては現在でも十分なものだと思います。

    撮って出しのJPEGですと、さすがに画像処理エンジンの古さが目立ってしまいますが、ちょっと手間はかかりますが、DxO PhotoLab 7でRAW現像すれば最新機種にも見劣りしない画質の写真が得られます。

    あと数年先でも問題はないような気もしますけど、こればかりはどうなるかわかりません。

    これはとある友人から聞いたセリフですが、カメラはデジタルになってから、「道具」というよりは「工具」になった、と。

    「道具」は使用する職人が使いこんでゆくに従い味のあるものになってゆき、愛着もわくモノになるが、「工具」は目的を果たすためだけに使われるもので、もの自体は(目的が達成できれば)何でもよく、用が済めば不燃ごみの日に捨てるものだ、と。

    RX1RIIもモノとしては工具になるのでしょうけど、外装が金属製だというところもあってモノとしては良くできているカメラだと思いますし、大きさ的にも丁度良くいつも触っていたい感じがするのは、道具に近いからでしょうか。。

    いろいろ文句も書いていますが、総じて大変気に入っていて購入してよかったと思っています。長く付き合いたいなと思います。

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